MAC値評価

二つのモデルのモード形状の類似性を評価するための指標を計算します。
設計の変更や調整を行う際に、特定のモード形状はあまり変わってほしくない場合や、逆に特定のモード形状だけ大きく変えたい場合などに利用すると便利です。MAC値はスカラー量で、値が1に近いほど二つのモード形状が類似していることになり、逆に0に近いほど2つのモード形状の類似性は低くなります。モデル化(メッシュの離散度や条件のつけ方など)の指針を決めるための目安にも利用できます。

連成強度評価

連成強度評価では、実固有値解析の結果を利用し、モード連成に起因した不安定モードの候補が抽出できます。
連成強度評価は比較的計算コストが小さいため、摩擦面の面圧を対象としたパラメータスタディのように多数回の計算実行が必要な場面で有効です。例えば、ブレーキの摩擦面のように、制動条件や摩耗によって接触状態が多様に変化する問題に活用いただけます。
連成強度は節点ごとに計算され、摩擦面上での分布(連成強度分布)を表示することもできます。不安定性に寄与する摩擦面上の領域の可視化は、パッド形状の変更によるブレーキ鳴き対策などに活用いただけます。

ブレーキのFEモデル
連成強度のグラフ
連成強度分布

理想モード比較

理想モード比較では、ローター(ブレーキディスクやドラム)の振動モードが、理想的な軸対称のモデルの振動モードにどれだけ似ているかを評価できます。
通常、MACによりモードの類似性を評価することができますが、軸対称のモデルの場合、周方向の位相がずれたモデル同士の評価ができません。 理想モード比較では、周方向の位相のずれを修正した上で、2モデルの類似性をMAC値により評価します。 また、指定した断面における振動モードグラフや正規性判定などで数値的な評価が行えます。

モーターオプション

モーターオプションは、積層ステータコアのモデル化および固有値解析を簡便に行えるオプションです。
まず、積層鋼板間の接触面剛性を考慮した詳細な積層構造モデルを作成し、振動特性の予測を行います。さらに、このモデルの振動特性を再現するように、一体物の異方性材料のモデルへの置き換え(モデルの低規模化)も行えます。置き換えられた異方性材料モデルは、他部品とのアセンブリ解析に活用できます。
また、ステータコアの固有モード評価では、ローカルな振動モードが多く発生し評価が難しいことがあります。そこで本オプションでは、多数のモードの中から特徴的な円環振動などのモードを抽出するモード判別機能も備えています。

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