ADINA version
8.5で、ADINA
CFDにおけるスライディングメッシュとGlue機能が改良されました。スライディングメッシュ境界面の長さが違い、また異なる有限要素に離散化され
ているサブドメイン同士でも使えるようになります。またさらに、固体要素と流体要素間の条件もモデル化出来ます。これらの強力な機能を使用した3D
解析の例は、2007年6/15のニュースですでに紹介しています。
スライディングメッシュ機能は、スライド面に互い
に異なるメッシュが定義されていても使うことが出来るので(構造解析の接触のように)、異なる領域のまったく異なるメッシュを単純にGlueでつなぐこと
ができます。(構造解析における例を以下のニュースで紹介しています。2007
年 4/30、 2007年 1/15、 2005年 9/15
)つまり、異なる流体(あるいは固体)の領域をそれぞれ異なるメッシュサイズで分割し、それらに整合性を持たせて結合できるということです。
今回は、2D解析の実例で、改良されたスライディ
ングメッシュ機能を紹介します。

問題の概要と使われたメッシュ
スライディングメッシュサーフェス上のFCBI要素* の長さが異なることに注意して下さい。
概要図でしめされているように、流体は垂直なチャ
ネルを
下向きに流れ、上下に動く2つの水平なチャネルへと分かれます。
FCBI要素のメッシュプロットには、流体領域が
3つのサブドメインに分かれていることが示されています。各々のメッシュパターンは互いに異なります。スライディングメッシュ条件は異なる領域間のサー
フェスに適用します。この例では、スライディングメッシュ面のサイズが合っていません。(水平なチャネルの幅よりも、垂直なチャネルの長さがかなり長く
なっています)垂直なチャネルの境界は、水平なチャネルのスライディングメッシュサーフェスの上下動に合わせて、自動でウォール条件(すべりなし)が適用
されます。
FCBI要素を使用する上で、特に重要なことは、
スライディング
サーフェス間で(メッシュ内と同じように)ローカル質量と運動量の保存が満たされていることです。
上の動画と下の2つの図に、例題の結果を紹介
しています。動画では、圧力と速度変化の分布が示されています。また2つの図で表されているのは、垂直チャネルと右側の水平チャネルの境界における圧力と
速度、それぞれのプロットです。

境界面周囲の圧力プロット

境界面周囲の速度プロット
スライディングメッシュとGlue機能は幅広く、
また強力な機能です。また実際の工学的な問題に多く適用できます。
*この機能は現状、FCBI-C要素のみで使えま
す。
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