コリオリ質量流量計のFSI解析

2012.7.30 FSI Analysis of a Coriolis Mass Flow Meter



コリオリ質量流量計のFSI解析


コリオリ質量流量計(図1を参照ください)は質量の流れと、酸類、薬剤、ガス類などの流体の密度を測るために使われています。コリオリ質量流量計は流量を極めて正確に測ることができるので、高付加価値の製品に影響を及ぼす流体や高付加価値の製品そのものを測定するのみよく用いられます。

図1 典型的なコリオリ質量流量計


コリオリ質量流量計は駆動装置によって振動させる単一もしくは複数の流管を使います。最近のデザインでは、その管は一対ごとに使われています。それらは定められた位置において十分なコリオリ加速を生じさせるために、真っすぐ、U字型だけでなく、他の適当な形を作ることができます。

コリオリ質量流量計のオペレーションは図2で説明しています。チューブ内の流れがなかったら、コリオリ効果はありません。それからそのチューブの励起振動数は流体の密度を図るために使われています。管に流れがあるとコリオリ効果によって管にねじれが生じ、センサーによる変位信号からわずかな位相のずれを感知します。そしてこの位相のずれは、現在の質量の流れを計算するために使われています。

図2 オペレーションの原理


コリオリ質量流量計の開発における重要な設計作業は、振動数や位相のずれは温度、圧力、速度に依るものかどうかを発見することです。こんにち、流体を表現するための質点を与えた限定した構造モデルとコリオリ効果を表すための場所ごとの減衰力が広く用いられています。しかしながら、検出する現象は、物理的な状況を現実的に表現するには非常に敏感なものです。その一方で、ADINAは驚くほどこの機構を矛盾なく正確に検証することができます。つまり、簡素化したモデルに用いられる制限事項がありません。

次の例を示す通り、完全な仮想環境の中で多くの細部をもった装置を速く、かつ正確にモデル化するために流体?構造連成解析のための唯一の機能をもったADINAを使うことができます。他の多くの重要な効果は、例えば製造工程から、モデルの中に連続的に含まれます。

下の図と上の動画は、ADINAを使っているドイツのアーヘンのThomas Chatzikonstantinou博士によって得られた複数の結果を表しています。2つの流体?ソリッド連成モデルは以下の条件で使われました:

  • 流入速度をもたない充填管
  • 流入速度10m/sをもつ充填管

モデルは管に3Dソリッド要素、流体にFCBI-C要素を設定し、時間積分にはBathe法を用い、完全結合で計算しました。

図3から図10は流入口でのメッシュ細部と結果を表しています。

図3 コリオリ質量流量計の管のADINAのFSIモデル:流入口での細部


図4 流れのない充填管:管内の相当応力


図5 流れのない充填管:駆動点における自由振動


図6 流れのない充填管:駆動点の自由振動のフーリエ解析


図7 流れのない充填管:流体の圧力


図8 流入速度10m/sをもつ充填管:管内の相当応力


図9 流入速度10m/sの管:変位センサーの位相のずれ
(緑:センサーの流入口の信号、赤:センサーの流出口の信号)


図10 流入速度10m/sの管:流体の圧力


重要なポイントは図9に見られる位相のずれは正確に予測されることです。ADINAは解析において優れた正確さを達成するための強力なツールです。

ADINAのFSI機能上のさらなる情報が欲しい方は、私たちのページfluid-structure interaction capabilities of ADINAを参照ください。


Keywords:

質量流量計、コリオリ、流体?ソリッド連成、FSI



* Photo by Luigi Chiesa (own work) [CC-BY-3.0], via Wikimedia Commons


Courtesy of Dr. Thomas Chatzikonstantinou, Aachen, Germany