新境地の開拓

2010.10.15 New Frontiers

New Frontiers
新境地の開拓

ADINAの幅広い利用において、時々、偶然にもADINAを用いたとても面白い着目をした研究論文に嬉しい驚きがあります。
このニュースは、いくつかの興味深い生体工学に関するマルチフィジックス適用事例です。

睡眠時無呼吸

この研究で、閉塞型睡眠時無呼吸症候群を考慮します。これは、「咽喉の虚脱と口腔や鼻腔の再開口の反復」による睡眠に関する呼吸障害です。
患者のCTスキャンデータをベースにした、気道、頭蓋骨、のど、舌骨と、気道周囲のやわらかく薄い組織を3D要素のフルモデル化で行います。
以下の図は、有限要素でモデル化されたものです。異なる材料毎に色分けされています。

閉塞型睡眠時無呼吸症候群分析用の人間の上気道での呼吸シミュレーション

Renhan Huang* and Qiguo Rong*

LSMS/ICSEE 2010, LNBI 6330, pp. 588-596, 2010

*College of Engineering, Peking University, Beijing 100871, China

脳脊髄の流体解析

この研究は、被験者のMRIのイメージをベースに、中枢神経内が作り上げる脳脊髄流体流れの3D要素モデルです。
脳脊髄流体流れと、流体周りの組織の脳の変形との間で相互作用を研究します。
結果が実験データとすばらしい一致をしました。脳脊髄の流れのメカニズムを理解するのは、薬物の送達方法を中枢神経に考慮するための重要なステップです。




中枢神経系における脳脊髄液流動力学

Brian Sweetman* and Andreas A. Linninger*

Annals of Biomedical Engineering, DOI: 10.1007/s10439-010-0141-0 (2010)

*Laboratory for Product and Process Design (LPPD), Department of Bioengineering,
University of Illinois at Chicago, Science and Engineering

Offices (SEO), Room 218 (M/C 063), 851 S Morgan St., Chicago, IL 60607-7052, USA
            

これに似た研究はここを参照下さい。

頸動脈の粉瘤(ふんりゅう)破裂

頸動脈分岐部の粉瘤性動脈硬化は、脳卒中の主な要因です。
事前破裂のイメージに基づく、生体内で観測された頚動脈の粉瘤破裂と、FSI解析から得られた粥腫(じゃくしゅ)圧力とを比較しました。
粥腫(じゃくしゅ)崩壊の観測場所の範囲と位置と、損傷した繊維状の粥腫(じゃくしゅ)層内の圧力の高い領域との間で、良好な相関性が見られました。

 


 

事前破裂のイメージに基づく、生体内で観測された頚動脈の粉瘤破裂と、FSI解析から得られた粥腫(じゃくしゅ)圧力

J.R. Leach1,2,3,  V.L. Rayz2, B. Soares2, M. Wintermark2, M.R.K. Mofrad1, and D. Saloner1,2

Annals of Biomedical Engineering, DOI: 10.1007/s10439-010-0004-8, 2010

1UC Berkeley/UC San Francisco Joint Graduate Group in Bioengineering, Berkeley, CA, USA

2Department of Radiology, Biomedical Imaging, University of California San Francisco Medical Center, San Francisco, CA, USA

3Department of Radiology, San Francisco Veterans Affairs Medical Center, San Francisco, CA, USA

 

これに似た研究はここを参照下さい。

 

昆虫の空中静止飛行

甲虫(フレキシブルな隠れた羽根と硬い羽根を持つ種)の空中静止飛行の空力特性が調査されました。
甲虫の羽ばたく羽根の運動学的動きは、実験観測で高速デジタルカメラ写真を使用し、モデル化しました。
動きのデータは、空中静止飛行の間の羽ばたく羽根のFSI解析に使われます。
この研究の動機は、小さい生体を模倣した飛ぶ装置、いわゆるマイクロ飛行機を設計することです。

 


空中静止している甲虫の空力特性の調査

 

Tuyen Quang Le1, Doyoung Byun1, Saputra1, Jin Hwan Ko1, Hoon Choel Park2, Minjun Kim3

    Journal of Theoretical Biology, 266:485?495, 2010

    1Department of Aerospace and Information Engineering, Konkuk University, Seoul, Republic of Korea

    2Department of Advanced Technology Fusion, Konkuk University, Seoul, Republic of Korea

    3Department of Mechanical Engineering, Drexel University, Philadelphia, PA, USA

 

これに似た研究はここを参照下さい。

 

胸大動脈の3D-MR流れ

部分的な血管の解剖学の知識と人体への機能は、心血管疾患の診療に非常な関心がもたれています。
胸大動脈内の血液の動きの状態の総合的な解析は、感度の良い4D-MRIでの最先端のラピッドプロトタイピング技術と数値流体力学(CFD)にに基づいています。
ラピッドプロトタイピングは、MRIの造影から大規模ながら適用可能な現実的な管モデルに、大動脈形状を変換するために使用されました。

流路内の患者特有の脈動への流入状態と、感度の良い4D-MRIの適用による統合により、 [現実的血管形状]における、部分的そして、全体的な3次元動的流れの詳細な解析が可能になります。
結果は[現実的血管形状]の詳細な実験的なシミュレーションでの、患者特有のモデル化の可能性を示します。


実際の胸大動脈のラピッドプロトタイピングモデル・システムにおける3D-MR流体解析:

同じ管形状の生体内のデータと数値流体力学との比較

C. Canstein1, P. Cachot2, A. Faust2, A.F. Stalder1, J. Bock1, A. Frydrychowicz1, J. Kuffer2, J. Hennig1, and M. Markl1

Magnetic Resonance in Medicine, 59:535?546, 2008

1Department of Diagnostic Radiology, Medical Physics, University Hospital, Freiburg, Germany

2Institute for Product and Production engineering, University of Applied Sciences Northwestern Switzerland, Muttenz, Switzerland

 

脳動脈瘤

脳動脈瘤は、一般にウイリス動脈輪という輪の後部領域で発見された動脈が拡張する病です。
脳動脈瘤破裂は合併症もあり、くも膜下出血を引き起こす場合もあります。血液の動く状態は脳動脈瘤の進行と破裂において、重要です。
この研究は脳動脈瘤がウィリス動脈輪前方および後方の流路での7つの分岐における、患者特有モデルでの血液流動力学と流体構造相互作用について説明します。

3D回転による、血管造影のイメージデータからモデルを入手し、 代表的な流入波形のもとで血液流動力学と流体構造相互作用を研究しました。
動脈壁が、弾性かつ等方性で均質であると考えます。
流体は層流で非ニュートン流体で非圧縮性と仮定します。



患者特有の分岐している脳動脈瘤における血液流動力学と流体構造相互作用
Alvaro Valencia1, Darren Ledermann1, Rodrigo Rivera2, Eduardo Bravo2 and Marcelo Galvez2

    Int. J. Numer. Meth. Fluids, 58:1081?1100, 2008

    1Department of Mechanical Engineering, Universidad de Chile, Casilla 2777, Santiago, Chile

    2Neuroradiology Department, Instituto de Neurocirugia Asenjo, Jose Manuel Infante 553, Santiago, Chile

私達のWEBの「Publications」ページでADINAの使用に関する600以上の刊行物を捜すことが可能
です。

 

キーワード:

マルチフィジックス、流体構造相互作用、FSI、動的流体計算、CFD、血行動態力学、患者特有、ラピッ
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