Aerodynamics of Flapping Wings for Biomimetic Flying Devices
人工飛翔デバイスにおける羽のはばたきの空力

 

昆虫や鳥の羽ばたきから学んだマイクロ飛翔体(MAV)[1]と呼ばれるまったく新しい飛行能力をもつ小さな飛翔デバイスの設計に奮闘中です。このような機体の開発で重要になるのが鳥や昆虫の羽ばたきの空力を理解することです。このニュースでは、実験とH.T.OhとH.C.Choi[2]によって行われたADINA-FSIを用いて、ハチドリの羽ばたきの空力に対する数値検証を紹介します。同じような検証は、カブトムシの飛翔[3]でも行われています。

 

図1と下の動画は、この検証のための実験装置になります。ハチドリの羽に似せたアクリルの擬似羽を用いています。この擬似羽は、飛翔中のハチドリと同じように並進と回転を行います。羽にはたらく揚力と推力を、負荷センサーで測定します。空気中の空力の測定は難しいので実験は、

水中で行うことにします。

1 実験装置

動作中における羽まわりの流れの構造を知るために、羽と周囲の流体の2次元モデルをADINA-FSIで解析します。流れは非圧縮性とします。流体中の羽の大きな動きに対応させるために、ADINA-FSIのアダプティブメッシュ機能を利用します。(FSIにおけるアダプティブメッシング他の例題は以前のニュースを参照。)

上の動画は、飛翔動作中の流体の速度分布と圧力分布のコンター表示を示しています。図2は、揚力と推力の実測と数値計算結果の比較を示しています。実験が3次元の湾曲した羽で行ったとはいえ、2次元モデルを用いてのシミュレーションであるということを特に考慮しても、数値計算結果は実測とよく一致しています。

2 3次元の実測と2次元FSI計算との揚力係数と抗力係数の比較

3は、飛翔運動で異なる動作中の羽まわりの流れを示しています。並進と回転とでは、羽まわりの渦構造が変化しています。

3 羽まわりの流れ

飛翔運行中の速度場の詳細と計算格子の進展は、次の動画で見られます。

メッシュ            速度
 ( >4MB)             ( >2MB)

ADINA-FSIの利用を説明しているのは、ADINA Primer Problem 49のFSIのアダプティブメッシュを用いたチュートリアルです。

この例は、流体と構造の完全連成に関連する問題を解くためのADINA-FSIに備わっている強力な機能の幾つかを証明しています。このような問題のモデリングの詳細は、流体-構造相互作用機能を参照してください。

参照
   1. Wikipedia article on MAV. For a device in action, see this Youtube video.

   2. Private Communication

   3. T.Q. Le, D. Byun, Y.H. Yoo, J.H. Ko and H.C. Park, "Experimental and Numerical Investigation of Beetle Flight", Proc. 2008 IEEE Int. Conf. on Robotics and Biomimetics, 21-26 Feb. 2009, pp. 234-239

 

キーワード :
Bio-inspired, flapping wing, micro air vehicle, MAV, fluid-structure interaction, FSI, aerodynamics, biomimetic, robot, adaptive meshing

 

H.T. Oh (Korea University) と H.C. Choi (KAIST)による提供

 

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