実働荷重による振動解析(ランダム応答解析)
問題の概要
実働荷重とは、実際の使用状態で機械構造物や部材に作用する荷重といいます。その荷重は複雑であり、例えば機器の走行中の振動、エンジン振動、モータ振動、気象事象(風荷重)など多々あります。その実働荷重の多くは実際の測定から求めるしかありません。測定されたデータを利用して解析することはよくあります。信頼のある実働荷重の把握には十分に長い時間測定を行う必要があります。非常に長い時間を時々刻々とシュミレートする過渡応答解析は現実的ではありません。一般的に実働荷重は時々刻々と測定しますが、FFTによる周波数分析と平均化などのスムージング処理を行いながら、パワースペクトル密度(PSD)を測定します。解析では、その測定されたPSDを利用してランダム応答解析を行います。
ランダム応答解析
ランダム応答解析は統計的な概念から応答を求めます。動解析の中では高度な部類に属されます。PSDを加振波形とし、結果は応答のPSD、単位時間当たりのゼロ交差回数、応答のRMSが得られます。更に、ランダム応答解析より疲労寿命も予測することが可能となります。
- マウントブラケットのランダム応答解析事例 -
※Dirlik法による疲労予測
応答PSD と 材料のSN曲線(強度係数と指数を入力)にて疲労評価が可能。例えば、寿命が 200時間 と出力されます。
この製品の評価寿命が 300時間の場合、NGという判断が可能となります。
キーワード
振動、ランダム応答、疲労