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◆Implicit Solutions with Distributed Memory Processing (DMP)
メモリ分散処理( DMP )を用いた陰解法

ADINA陰解法ソルバーの分散メモリ( DMP )版で、 スパースソルバー(構造、CFD、FSI )、3Dイタレーティブソルバー(構造、FSI )ともに使えるようになりました。 DMPソルバーは、使用できるCPUにモデルマトリックスを分配します。 プロセッサーは並列に働き、計算負荷と、解析に必要なソルバーのメモリは分割されます。 大規模の問題で、CPUあたりに必要なメモリが小さくなることにより、さらに大きなモデルでも フィジカルメモリ(in-core)内での解析が可能になります。 現行のバージョンでは、このクラスの問題、つまりIn-coreメモリに収まらない問題においても 陰解法のDMPソルバーを使用する大きな利点があります。

今回は、ある例題を用いてDMPのメリットを 示します。シミュレーションに使用するのは、上の図のような工業用部品です。 モデルは500万強の自由度を持ち、Glue Meshが使われています。 また、100以上のボルトと、摩擦を考慮した複数の接触サーフェス、大変形、と多くの非線形性が含まれたモデルです。 ボルトプリ荷重がかかり、続いて外部からの荷重を受けます。

Intelの初期製品 Xeon x86-64 ワークステーションのクラスターで、3D-イタレーティブソルバーによる解析が実行されました。 クラスターは、低価格な商品 Gigabit Ethernet Switch で接続されています。 それぞれデュアルプロセッサーを持つ4台のコンピューターで、DMPが実行されました。全部で8CPUを使用しています。

モデルデータとソルバーに必要な容量は、 クラスターの4台のコンピューター上で使用できるメモリ内に容易に収められます。 解析時間は6.4時間です。 ワークステーションのうちの1台を使って、比較解析を行ったとすれば、Out-of-coreでの解析が必要となるため さらに時間がかかるでしょう。 解析の最終ステップのフォンミーゼス応力結果を下の図に示します。 ボルトのエリアに高い応力が出ているのがわかります。






今回紹介した新しい陰解法のDMPソルバーと、 以前のニュース( 2007 10/15のADINAニュース ) で紹介した陽解法のDMPソルバーによって、ADINAの大規模モデルの解析機能は強化されました。 ADINAのDMP版の効果をさらに高めるために、私たちは開発を続けていきます。



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