圧電効果バイモルフ形モーターのシュミレーション

2013.2.28 Simulation of a Piezoelectric Bimorph Motor

圧電効果材料は電圧が印加されると変形します。 さまざまな利用において微細機構のアクチュエーターにこれが利用されます。 今回のショーケースでは、一つの応用例として、圧電効果バイモルフ形モーターを取り上げます。

この圧電効果バイモルフ形モーターでは、3つの主要部分に分かれています。 2つの圧電効果バイモルフ板と1つのドライブシャフトです。 図1で示すように、各々のバイモルフ板は接着層によって離された2つの圧電効果膜を持っています。 適切な制御と位相をずらした電圧を表層に印加すると バイモルフ板は曲がったり伸縮したりして、駆動軸を動かします。

図1 圧電効果バイモルフ形モーターの検証:(a)バイモルフの組み立て、(b)様々な部分を示す分解図

圧電効果バイモルフ形モーターの力学的振る舞いは、多くの設計者、製造業者、研究者にとって興味深いものです。 この振る舞いを正確に予測するためにADINAを使うことができます。

私たちは一つの例として、カニカルヘッドと駆動軸の接触面にクーロン摩擦係数を持って、 圧電効果バイモルフ形モーターの陰的動解析を実行しています。 電場は機構的変形と連成しています。

相対的に柔らかい圧電効果材料はバイモルフ板で使われます。 各バイモルフの両方の表面の極方向はy-方向になっています。 内部の面(図1では面BとDを示す)は接地(0ボルト)され、 時間に依存する電圧信号は外部の面(面AとC)に印加されます。 接着層と機構的頭部はアルミニウムでできています。

2つのモーターについて検討します。 一つは厚く、もう一つは薄いバイモルフ板を含んでいます。 これらの結果はそれぞれ上と下の動画で示しています。

当然、ドライブシャフトの動きは印加された電圧だけでなく、バイモルフ板の形状に依存します。 例えば、駆動軸に同じ変位をさせるのに、上に示した動画のモー ターが100V必要なのに 対し、下の動画に示されるより薄いバイモルフ板のモーターは、たった3Vの入力 電圧で十分です。

このシュミレーションは電界と構造変形が連成する問題をADINAが解析できるこ とを示しています。 線形/非線形、静解析/動解析で連成を実行することができます。この新しい圧電 効果材料は以前よりも はるかに大きな圧電効果係数になっており、このような問題を正確に計算することがますます重要に なっています。

ADINAの強力なマルチフィジックス機能のさらなる例については、 ADINAのマルチフィジックス機能を参照ください。

キーワード

電圧、ソリッドへの十分なカップリング、バイモルフモーター、非線形、動的陰解法、接触、摩擦、マルチフィジックス、MEMS