FSIの物理的な不安定
2011.6.15 Physical Instabilities in FSI

Physical Instabilities in FSI
流体-構造の相互作用における問題には物理的な不安定を示すことがよく知られています。したがって、このような不安定を正確に求めることができる数値計算技術のみを使ってシステムのふるまいを検証することが重要になります。さらに重要なことは、実際の物理現象を妨げるような数値安定性を計算手法に導入すべきではありません。 短的に二つの例を紹介します。最初の例は、底部が柔軟体の上部移動流れにおける流体構造相互作用です。2つめの例は、物理的な不安定現象、例えばフラッターのような問題の流体構造相互作用でどのようにADINA FSIを利用することができるかを示します。 図1は、最初の例の概略図を示しています。くぼ地の上部は開放されていて垂直の剛壁と底部を柔らかい板で囲まれていて、この開放された上面に周期的な水平速度が与えられています。(図参照) モデルの詳細は図に示されています。 
図1:くぼ地のせん断流れ問題の図
時間変化の応答を計算するのですが、問題では、最大流速が与えられいてるときの定常応答を最初に計算します。(図1) この部分の検証の目的は、ADINA CFDのアダプティブメッシュの機能を用いて良好なメッシュを求めるためでした。 適切になったメッシュを非定常計算に利用します。さらに、システムの応答は120×120の均一な分割の4節点 FCBI要素を用いて解析します。適切になったメッシュと均一な解像度の4節点要素メッシュを用いて非定常解析の結果は図2と図3に比較してあります。二つの解析には、底部の柔軟な板は2節点のアイソパラメトリック平面ひずみビーム要素を用いてモデル化しました。 
図2:柔軟な板の中間点における垂直方向変位の時間履歴

(a) 適切になったメッシュの結果 (b) 均一メッシュの結果
図3:適切になったメッシュと均一メッシュを用いた時刻68の圧力
下の最初の動画は適切になったメッシュを用いて解かれたときの粒子軌跡を表しています。その次の動画は、同メッシュを用いての流れの流速ベクトを示しています。計算の中で底部が柔軟に上下動しているのが興味深いところです、平均変位を下に示してあります。(図2) 

図1で与えられたパラメーターでは、上の問題は物理的な不安定は現れず、長時間の計算の後でもなお図2のようにそれがわかります。計算では、如何なる不安定も確認されません。。
2番目の例は、翼のフラッター問題です。用いた3DのCFDメッシュと翼を拡大したものを図4に示してあります。流入速度は、12m/sです。流出口は開放されたのみでその他の流体境界は壁の条件をモデル化しています。

図4:フラッタ問題のCFDメッシュ 流体はk-ω乱流モデルを用いた非圧縮性ナビエ-ストークス流体とし、FCBI-C要素を用いて離散化します。翼は、4節点シェル要素を用います。単純に翼の一部分だけを考え、柔軟性と翼の質量は横方向とねじれ方向のばねおよび集中質量を使ってモデル化しています。わずかな変動荷重を翼のZ方向に与えています。 ページ先頭の動画は、振動していることを表しており、図5では、翼のピッチングとプランジングの時間履歴を表示しています。ご覧いただければ、翼の振動が始まり、振動が時間の経過とともに大きくなっているのがわかります。これがフラッター現象の本質的な特徴になります。 
図5:翼の変位と回転のグラフ 下の動画は、流体の速度の大きさと節点圧力のコンター表示です。

上の例は、FSIにおけるADINAの解析能力の一部を示したものです。様々な検証例の概要や出版物は、ADINA-FSI に与えられています。 Keywords:Fluid-structure interaction, FSI, transient analysis, FCBI, FCBI-C,adaptive meshing, flutter, physical instability, aeroelasticity References 1. K.J. Bathe, H. Zhang, "A mesh adaptivity procedure for CFD and
fluid-structure interactions", Computers and Structures, 87:604-617, 2009. 2. U. Küttler, W. Wall, "Fixed-point fluid-structure interaction solvers with dynamic relaxation",
Comput Mech, 43:61-72, 2008.
