DNA折り紙のためのCAE

2011.5.30 Computer-aided Engineering for DNA Origami

 

CanDo: Computer-aided Engineering for DNA Origami

CanDo: DNA折り紙のためのCAE

 

 

 

動画1:ロボットのような熱変動をするDNA折り紙
 
 
 
折り紙は、伝統工芸で、1平面のシートを美しく複雑に折ったものです。
(http://en.wikipedia.org/wiki/Origami)
DNA折り紙は構造形態がナノスケールで2次元と3次元で構成される、斬新な手法です。
以下参照下さい。Rothemund, Shih, M. Bathe, Dietz
 
そんなミニチュア構造は、多くのデバイスに有効です。例えば、超小型コンピュータや、
超小型運搬や、異常細胞の破壊や治療に使われます。確かに、近い将来、
多くのアプリケーションがこのナノスケール構造の新手法となるでしょう。
 
DNA折り紙技術は、部品と機構の複雑なナノスケールの技術の総合体を意図し、
そして、FEMはこの新手法に用いるには打ってつけです。
 
目標は、特定の目的のための理想的な形状設計です。最初のステップは、
ターゲット形状を想像する事です。おそらく、模倣か自然からヒントを得たもので、
一定の仕様となるでしょう。
 
このショーケースでは、私達はCanDo (Computer-aided engineering for DNA origami)
 と呼ばれる計算ツールを表現するため、ADINAを使ったFEMで3D形状設計と
DNA折り紙構造の柔軟性を紹介します。
内部曲率と捩れを含む非線形DNA構造の範囲の、CanDoの使用については、
参考文献[1][2]に示されています。複雑な現象ですが、重要です。
 
 
 
 
1:DNAの2重らせん:原子構造(左図);一様な弾性棒モデル(中図)2節点ビーム
要素を使った、FEM表現(右図)
 
 
 
1は、DNAモデル一様な弾性棒によりモデル化されたデフォルト形状データです。
(塩基対毎の長さ=0.34nm(ナノメートル)、直径=2.25nm)と物性値(伸び剛性=1100pN
(ピコニュートン)曲げ剛性=230pN、そして捩り剛性=460pn/nm^2)FEMの2節点ビーム
要素で作成されています。伸びと曲げと捩りは、FEMの節点自由度の3並進と3回転の
6自由度、DNAの断面方向と中立軸で表します。隣接するビーム要素間はRigid要素で
モデル化されます。
 
 
 
2:初期形状(左)、負荷形状(中)、除荷形状(右)
 
 
 
DNAの塩基対の局所的挿入と欠落は、DNA折り紙構造の設計曲線や捩りに使われます。
3D解析形状は3つの概念構成により計算されます。
初期形状構成、軸と捩れひずみが局所的に含む、負荷された構成、そして、構造全体の
変形による、局所的ひずみがじょじょに緩和され、最終的に除荷された構成。
 
全体の解析は、以下のように行われます。
 
シビアな局所的座屈での非線形性の強い形状に対する、ADINAのATS法の使用。
(参照動画2)
 
折り紙構造が変形しうる、フレキシブルな動きを予測する、固有値とモードシェープ
解析。(参照動画1)
 
 
強調すべき点として、解析は最初に、複雑な幾何学非線形の解を必要とし、
そして変形した形状での固有値計算が行える、ADINでは、強力なツールといえます。
 
 
 
動画2:3D解析変形計算の時間ステップ
 
 
 
これらの技術は、DNA折り紙の解析や設計に適用されて行くことは、FEMが
飛行機構造の解析で使用されていたころの、半世紀前においては信じられない事です。
参考文献[3][4]-折り紙はもう紙だけのものではないのです。
参照MIT News, April 27 (2011)
 
 
Keywords:
DNA, origami, finite elements, nano-technology, miniature structures, 
biomechanics, frequencies, mode shapes, deformed configuration, geometrically
 nonlinear
 
 
References
 
1.       Kim, D.N., Kilchherr, F., Dietz, H., and Bathe, M., manuscript in
preparation.
 
2.       Castro, C.E., Kilchherr, F., Kim, D.N., Shiao, E.L., Wauer, T., Wortmann, 
P., Bathe, M., and Dietz, H., "A primer to scaffolded DNA origami", 
Nature Methods, 8:221-229, 2011.
 
3.       Argyris, J.H. and Kelsey, S., "Energy Theorems and Structural Analysis", 
Aircraft Engineering, Vols. 26 and 27, Oct. 1954 to May 1955, Part I is 
by J.H. Argyris and Part II is by J.H. Argyris and S. Kelsey.
 
4.       Turner, M.J., Clough, R.W., Martin, H.C. and Topp, L.J., "Stiffness and
Deflection Analysis of Complex Structures", Journal of the Aeronautical
Sciences, 23:805-823, 1956.