FSIでの仮想心臓手術

2010.12.15 FSI in Virtual Heart Surgery

FSI in Virtual Heart Surgery

FSIでの仮想心臓手術

 

手術を考えるにあたり、画像再構成技術、医用画像の分野で急速な進歩があり、またメッシュ生

成とマルチフィジックスの計算ツールが存在します。私達は現在、患者特有の個人ごとに、ベスト

な外科手術を考案するのに解析モデル作成をかなり忠実に行えます。

 

これら進歩は、研究者が異なる病の原因と救済策において、より良い理解する助けにもなります。

ADINAは、強力なマルチフィジックス機能で、この全体的な取組みにおいて、大きな役割を果たします。

 

このニュースで、私達が強調するのは、研究者が自分の研究のためにADINAを使用した事です。

彼らは、外科手術の計画と最適化のため、生体内の心臓血管磁気共鳴(CMR)イメージに基づく、

患者特有の心臓の心室モデルを構成するための解析法を研究しました。

 

解析法による検討は、異なる手術の仮定を判断する助けになります。。

そして、経験とおそらくは危険な臨床実験に置き換えれます。

研究は、この事実により動機付けられています。

 

1は、心臓の右心室(RV)と左心室(LV)の3D形状で構成されたメッシュと、手術によるパッチ

位置図です。

 

1 メッシュと心臓の右心室と左心室形状構成

流体は、非圧縮性流体、ニュートン流体で、層流と仮定されます。

ALE法にて、ナビアストークス方程式が支配方程式として使われます。

 

右心室と左心室の壁は、非圧縮性に近い材料として、異方性のゴム材(超弾性)として、仮定します。

材料モデルはMooney-Rivlin材料でモデル化します。

異方性効果は、心室内の繊維の状態を表し、ADINA内で利用可能な、Holzapfel定式化に修正された、

密度関数が使用されます。

 

もちろん、それぞれの患者用に繊維配向を調整できます。

すべての材料パラメータが、実験患者特有のデータを使用することで測定されました。(参考文献参照)

 

心臓の膨張/収縮は、血圧により引き起こる、受動的な弾性の拡大/収縮と、繊維の硬化/緩和によっ

て引き起こされた、能動的な収縮/緩和の組み合わせと考えられます。

 

この研究では、繊維方向に硬化する時間依存性の材料が、能動的な収縮のモデル化に使用されました。

手術手順をモデル化するため、右心室の形態は、別パッチを使用し、傷跡を整えるため、修正しました。

(図2参照)

 

全ケースにおいて、モデルは右心室のボリュームがCMR測定データで例えられたものです。

流体-構造のカップリングモデルは、直接FSIを使い、構造の応答と流体の応答を強連成で解析します。

 

右心室と左心室の大変形と大ひずみは、考慮されます。

ALE法によるアプローチは、右心室と左心室の大きい動きをとらえるのに適しています。

流体-構造システムのカップル化された時刻歴応答は、直接時間積分法にて計算されます。


図2:手術用パッチの概略図とそれに相当する解析モデル

 

 

トップページのアニメーションは、右心室と左心室内の、最大主ひずみのコンタ表示をしめしています。

以下アニメーションは、心臓周期間の右心室中の流体速度ベクトルをしめします。

 
ADINA-FSIのより詳細は、fluid-structure interaction ページを参照下さい。
機能概要、多くの事例、FSIを使って調査した160以上の関連刊行物のリスト、興味深い例題を参照
できます。
 
参考文献
* D. Tang, C. Yang, T. Geva, and P.J. del Nido, "Image-based patient-specific ventricle models with 
fluid-structure interaction for cardiac function assessment and surgical design optimization", 
Progress in Pediatric Cardiology, 30:51-62, 2010
 
キーワード:
仮想手術、患者特有、流体-構造相互作用、大変形、強連成、直接FSI、超弾性、異方性、
コンピュータによる外科モデル、MRI、心室、Mooney-Rivlin、Holzapfel定式化、
肺動脈弁置換手術

 

Courtesy of D. Tang (Worcester Polytechnic Institute, USA), C. Yang (Worcester Polytechnic

Institute, USA and Beijing Normal University, China), T. Geva (Children's Hospital Boston and Harvard Medical School, USA), and P. J. del Nido (Children's Hospital Boston and Harvard Medical School, USA)