FSIメカニズムデザイン

2010.10.30 FSI in Mechanical Design

 

FSI in Mechanical Design
FSIメカニズムデザイン

多くの機械装置の応答はいつも、流体と構造間の相互作用の影響を受けています。

そのような機械装置は身近なものが多く、バルブやポンプ、コンプレッサー、ショック

アブソーバー、エアバック、アンチロックブレーキシステム(ABS)、燃料タンク、タ

ービン、ジャーナル軸受、スピーカ等があります。

     

このニュースは、そんな機械装置の2つの事例研究です。いずれも、FSI効果が必要な

ケースになります。

 

最初の例題は、液封エンジンマウントです。

これらの機械装置は、エンジンによって引き起こされる振動を分散し、より快適な運転

をするために使用されます。

液封マウントは、ゴムの液室内を粘性流体で満しています。

1に液封マウントの異なる流体と構造の有限要素モデルを示します。

エンジンの振動より起こる変形は、ゴム壁を伝わり、それによるゴム変形で、粘性流体

2つの液室間を流れます。これにより、エネルギーが消散され、エンジン振動を分散します

 

 

1 液封マウントの3D有限要素モデル

 

ゴムと流体での結合される剛性と粘性は、一般的に、ゴムの大変形と材料非線形による 

ものと、流体の粘性依存による振動と振幅です。

以下のアニメーションは、流体液室内の流速ベクトルとゴム壁の変形を表しています。

 

 

 

ゴムの壁は、Mooney-Rivlin材料が使用され、流体は非圧縮性の粘性流体で考慮されます。

各ステップ毎の時間積分は、FSIシステムによるフルカップリング(強連成)で解析されます。


2つ目の事例は、薄膜[Membrane]弁システム(ダイヤフラム弁システム)の挙動を考えます。

弁のシステムの有限要素モデルを図2に示します。

管の流入圧力の増加が、流速を増加します。

これは薄膜上に上昇動圧を発生します。

したがって、薄膜は変形し、弁はほぼ閉じた状態となります。

 

2 薄膜弁システムの3D有限要素モデル

トップページのアニメーションは、薄肉弁のミーゼス応力コンタ図および、流体領域内の流

速ベクトルを示しています。

以下のアニメーションは、薄肉弁周りの領域を拡大しています。

 

 

これらの事例研究は、流体構造交互作用効果が重要であり、構造部の大きな非線形性と

強連成という、機械設計の問題を解決するための、ADINA-FSIの高機能性をいくつか示し

ています。

ADINA FSI上のより詳細な情報は、「fluid-structure interaction ページ」を参照下さい。そこに私た

ちは、機能の概要や、多くの事例研究、および研究者がさまざまな流体構造相互作用問題を解決する

のに、ADINA-FSIを使用した150以上刊行物のリストを掲載しています

 

キーワード:

流体構造相互作用、FSI、フルカップリング、液封エンジンマウント、バルブ、ポンプ、コンプレッサー、

ショックアブソーバー、エアバック、ABS、燃料タンク、タービン、ジャーナル軸受

 

提供:ドイツのDr.Heckエンジニアリング・アンド・コンサルティング社