心臓血管機構の流体-構造相互作用
2010.1.30 FSI in Cardiovascular Mechanics
FSI in Cardiovascular Mechanics |
心臓血管のメカニクスの研究にADINAが幅広く使われています。その確かさと信頼性に加えて、この広範囲な利用のもう一つの理由が構造のモデリングと流体とその相互作用の問題に先進的な計算機能が総合的に提供されていることです。このために、一般的なナビエ・ストークス流体と相互作用している組織組織あるいは器官の強い非線形応答(それは、幾何学的、材料的、接触非線形を含むかもしれない。)
を調査することを可能にします。
このニュースでは、動脈内の危険な粥腫(じゅくしゅ)の機構による微小石灰化の影響を調査する研究に注目します。この研究は、粥腫の断裂が突然の心臓発作のための主な原因の一つであるということから行われました。(文献参照)
図1は、血管壁、粥腫(脂質)と含有物(石灰化)の表現モデルを表しています。
研究のねらいは、3次元流体-構造相互作用モデルを用いて生理的な脈動の下で動脈内に誘導されるストレスの上で石灰化の影響を調査することにあります。
粥腫の周り計格子部を図2で表します。固体部と流体部は約90万要素
でモデル化し、2周期分を2500ステップの動解析を実行します。
図1モデル概略図
血管壁、脂質核、線維皮膜は等方性の非圧縮超弾性材料モデル(ムーニーリブリンモデル)を用いてモデル化しています。血液は非圧縮性ナビエ・ストークスのニュートン流体としてモデル化します。
問題は、構造と流体は強く結びついているために直接結合を用いて計算します。動脈管の大変形、大ひずみを考慮します。動脈の大変形に対応するのにALEを用います。
上の一番目の動画は血管の長手方向の断面に沿った流速場の上面と側面からのものです。2番目の動画は、脂質核近傍の流れの中での血液の圧力場、さらには血管壁の変形を表しています。
図2流体部と固体部と石灰化部上の流れのための計算格子
微小石灰化の存在が流れに目立った影響を与えない間は、固体部の応力レベルのピークはかなり増加します(図3)。この高い応力集中は粥腫の破裂原因の可能性があります。下の動画は、流動サイクル中の、含有物周りの応力場の進展を表しています。
図3 含有物の存在による応力集中
生体工学の中でADINA FSIの役立つことを見て、すばらしく思い、喜ばしいです。
参照
・D.
Bluestein, Y. Alemu, I. Avrahami, M. Gharib, K. Dumont, J.J. Ricotta, S.
Einav, "Influence of microcalcifications on vulnerable plaque
mechanics using FSI modeling" , Journal of Biomechanics,
41:1111-1118, 2008
キーワード :
cardiovascular mechanics, microcalcification, plaque, fluid structure
interaction, stenosis, large deformation, strongly coupled, direct FSI,
hyperelastic, ALE
Courtesy of D. Bluestein, Y. Alemu, K. Dumont,
J.J. Ricotta (Stony Brook University, USA); I. Avrahami (California
Institute of Technology, USA and Afeka College of Engineering, Israel);
M. Gharib (California Institute of Technology, USA); and S. Einav (Stony
Brook University, USA and Tel Aviv University, Israel)