ADINA8.5では周期対称の機能が向上してい
ます。周期対称の静解析、動解析、周波数解析において強力なGlue Mesh機能を使用できるようになったことも機能向上の一つです。
今回紹介するのは、単純なファンのモデルです。円
筒状のベースに取り付けられた32枚の羽根は、Glue結合でモデル化されています。この解析でポイントとなるのは
モデル、メッ
シュを作成したのは一枚の羽
根とそれに付随するベース(これらを基本周期部品といいます)
のみです。Fig.1.をご覧ください。
基本周期部品の周期対称性によって、ファン全体のレスポンスを解析します。
基本周期部品に対応する有限要素方程式だけで、ファン全体のレスポンス計算を行い
ます。
基本周期部品は、2つのパート(羽根とベース)よりメッシングされます。
Fig.2.に示されているように、
それぞれのメッシュは別々に作成され、Glueで結合されます。2つのパートは個々にメッシングされるので、
マップド
メッシュにより、品質のよい六面体要素が作れます。
ファンには遠心力がかかり、また羽根は片面から圧
力荷重を受けます。非線形静解析に続いて、全ての周波数解析が行われます。そうすることで、固有振動数とモードシェイプへのファンの変形の影響が考慮さ
れます。

Fig. 1:使用メッシュ

Fig. 2:Glue meshの詳細
上のムービーは、ファンのモードシェイプの一つで
す。下のFig.3にはモーダル応力を示しています。

Fig. 3:羽根の応力プロット
ADINAの周期対称の解析機能は(同時に
Glue
meshが使えることで)工学的な多くの問題のモデル化に役立つでしょう。
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