従来の機構解析では、全ての部品は剛体として扱わ
れました。しかし、実際の問題では、構成部品のフレキシビリティを考慮することが非常に重要です。ADINA8.5では、フレキシビリティを必要とする解
析のために、ADINAからSIMPACKのインターフェースが使えます。
このプロセスでは、最初にフレキシブルな部品を残
り
の機構から切り離して、ADINAによる有限要素解析を行います。この時の解析には、周波数解析、そして様々な非線形静解析が含まれるでしょう。
そして、ADINAで以下の情報を含むファイルを作成します。
- 周波数とモードシェープ
- 線形剛性とマスマトリックス
- 重力、遠心力といった参照力による幾何剛性マトリックス
このファイルをSIMPACKに読み込み、マルチ
ボディの動解析を行います[1]。
この解析には、解析の精度を上げるために、ADINAでの剛性マトリックス、マスマトリックスを基にした Frequency Response
Modes (FRMs) 計算が含まれます [2]。
ADINAの新機能を使った動解析を紹介します。
下の図にあるような自動車のフロントサスペンションのアンチロールバーモデルを解析します。ADINAで19本のビーム要素が定義され、低いほうから9個
の固有振動数とモードシェープがSIMPACKでのマルチボディ解析に使われます。

アンチロールバーの有限要素メッシュ(INTEC 社提供)


異なるモード数を使った、節点20における変位(FRMあり/なし)
節点20は、垂直方向の調和荷重を受けています。
この節点の応答は上のグラフに示したとおりです。最初の9個の固有振動モード(ADINAで計算したもの)のみをSIMPACKに渡すことで、
特にFRMsが含まれているとき、正確な解を得ることができます。
部品のフレキシビリティを考慮した機構解析に
ADINAを使用することは、とても重要です。
References
- SIMPACK FEMBS
documentation
- Shabana, A. A. Dynamics
of Multibody Systems, 2nd Ed. Cambridge University Press,
Cambridge, 1998.
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