
第一段階:4メートルをスライド,第二段階:5度の回転スライド
プレストレスコンクリート桁橋の大すべりの摩擦解析
Large Frictional Sliding Analysis of a Prestressed Concrete Bridge Girder
最近では、建造されて古くなった先進国のインフラは、その置き換えや改築のために
既存の構造の徹底的な分析の必要性を増大させています。
広範囲に使えて信頼性のある解析ツールの利用が既存構造の振る舞いの理解や
改築デザインの開発のための重要な鍵となっています。
ADINAは世界中の建築産業で幅広く使われています。この報告では、鉄道橋の
解析でADINAの面白い利用方法を紹介します。
余部鉄橋(図1)は、日本の古い鉄橋の一つで2010年にプレストレスコンクリートの
新しい橋に置き換えられました。清水建設によって行われた置換プロセスでは、
長さ23メートル、重さ3820トンのプレストレスコンクリートの橋桁をトンネルの入口
に合った支持構造上でゆっくりと滑らせながら移動させました。(図1)
すべらせる工程は2段階で実施しました。第1段階で、桁を線路の軸に垂直な方向に
4メートルをスライドさせ、第2段階で橋の柱の軸周りで5度を回転スライドさせました。
(上の動画を参照。)

図1 余部鉄橋
橋桁の位置取りに摩擦滑りさせる振る舞いを検証するのにADINAを用いて有限要素解析を
行いました。 図2は有限要素モデルを表しています。コンクリート部材は3次元ソリッド
要素を用い、鋼材はビーム要素を用い、二本のケーブルをトラス要素でモデル化しました。
摩擦接触条件を橋桁の下面と橋柱の上の面の間で考慮しました

図2 二つの視点からの有限要素モデル
この例は、主だった建築プロジェクトにおけるADINAの多くの利用の一つに着目したものです。
土木/建築でのADINAのほかの利用事例は、
Applications of ADINA in civil engineering and construction
上のプロジェクトのビデオ画像は、
http://www.shimz.co.jp/about/activity/ad_amarube.html
Keywords:
プレストレスコンクリート、橋桁、摩擦接触、二本のケーブル、建築、土木、改築
構造計画研究所を通して清水建設より提供を受けました。
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