
Fluid-structure Interaction Analysis
of Red Blood Cell
赤血球の流体-構造連成解析
|
ADINAは、生体力学のアプリケーションで広く使われています.
このニュースでは、赤血球(RBC)の力学的研究へのADINA FSIの適用を紹介します。このモデルは(細胞膜をあらわしている)粘弾性効果を含む非圧縮性の超弾性膜から構成されて、細胞質を表している非圧縮性のニュートン流体で満たされています(図1)。狙いは、数値シミュレーションを使って、RBCの力学特性を調査することと、実験データ(参照をみてください)と結果を比較することです。

図1 モデルの概略図
モデルは直径に沿って軸方向引張力を受けて動的解析を行います。膜と細胞質のTwo-way カップリングが考慮されます。図2と上記のアニメーションは、異なる引張力に対するRBCの変形形状を表します。対称性により、細胞の1/8だけをモデル化します。

図2 変形形状のスナップ写真
図3は膜の初期せん弾性率に対して異なる仮定を使い非粘性流体を仮定した場合の、引張試験の数値結果と実験結果を示しています。点とエラーバーは実験結果の範囲を示します。

図3 細胞質の粘度を無視する時の結果;
平均値とエラーバーで実験結果を示します
図4は細胞質を粘性流体としてモデル化する場合のADINA
FSI結果と同じ実験結果の比較を示しています。粘性の効果を含んでいることを示す結果は、実験データと数値結果の相関性を改善しています。(transverse
diameterの結果を見てください)

図4 細胞質の粘性を含んでいる時の結果;
平均値とエラーバーで実験データを示します
完全な流体-構造連成システムに対するADINAで可能な機能−1つのプログラムにすべてがあること−は、そのような多くの実用的なアプリケーションの助けになります。このシステムでは、構造が一般的な非線形性(幾何学、材料、接触)を含むことができて、流体は一般的な流体(非圧縮性あるいは圧縮性のナビエストークス流体)とすることができます。
より詳細な情報については、Fluid-structure Interaction Capabilitiesのページをご覧になって下さい。
参照
C.Y.
Chee, H.P. Lee, C. Lu, "Using 3D fluid-structure interaction model
to analyse the biomechanical properties of erythrocyte", Physics
Letters A, 372:1357-1362, 2008
|