ボルトは
機械設計上、不可欠な部品であり、またボルト構造は機械的に複雑な挙動を示すことがあります。
ボルト構造を一般的にリジット接続として扱っていたのは、それほど前のことではありません。
近年のコンピューター支援モデリングとFE解析の発展により、エンジニアはこれまで困難であったボルト接続について
洞察できるようになりました。
エンジニアは、
流体の漏れを防ぐためにどれだけのボルト力が必要なのか、接触や摩擦が重要なときのボルト構造物の振動数、
騒音や振動に対するボルト接続の寄与などの問題を解くことができます。
また、アセンブリ中に複数のボルトを順番に締めなくてはいけないこともあります。
今日の
設計エンジニアの視点から実際に求められているため、ADINAのボルトのモデリング機能では、
ボルト力の大きさとボルトの短縮のどちらによるボルトの締め付けも設定できます。
またプログラムで指定した手順によってボルトを締め付けることで、実際のアセンブリ工程を
モデル化することができます。
典型的な
ボルトタイプの問題で、ADINAのボルトオプションを説明します。
これは重機で使われる車軸のマウントです(John Deere社の協力による)。
アセンブリの全体図は、上の動画に示しています。
大部分を
10節点の四面体要素、フレームは8節点シェル要素としてモデル化され、
またボルト部分の接触は3D接触面としてモデル化されています。
全体モデル(上の動画に示しています)は、250万以上の自由度を持ちます。
ボルトは40箇所でとめられ、各ステップで約5回のNewton-Raphson iterationで、25ステップで順番に締めます。
下の図のバンドプロットにて、いくつかの結果を示しています。

図. ミーゼス応力:1ステップ目(左)、25ステップ目(右)
Quad
Core PCを使用し、ADINAのステップ毎の計算時間は約12分(経過時間)でした。
これはこのサイズのモデルとしては並外れています。
ADINA 3Dイタレーティブソルバーによって、このようなパフォーマンスが可能になりました。 3Dイタレーティブソル
バーは、3Dソリッド要素だけでなく、シェルや他の構造要素、接触状態も扱えます。
周波数
解析を含む、線形、非線形計算における効果的なボルトのモデル化は、一般的なCAEとADINAの使用において
重要な機能であることは明らかです。
キー
ワード :
ボルトモデル、ボルト要素、接触、摩擦、締め付け、イタレーティブソルバー、車軸、マウント、アセンブリ
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