リングに固定されたシェル
リングと接触するシェル
2008年 7/30のニュースでは、
接触やボルトを含む非線形の問題における、ADINAの周波数解析の例を紹介しました。
今回は、接触を含むシェル構造の周波数解析です。
シェル構造の応答には、境界条件が強く影響します。リファレンス[1]をご覧下さい。
荷重付加による変形、また固有値とモードシェイプに、この影響がみられます。
したがって、シェル構造の非線形解析のどの計算ステップにおいても固有値解析ができる
機能は非常に有用です。
図示してあるように、
今回の問題はシェルの両端を剛体のリングで拘束し、自重のみがかけられています
(詳細は図1.をご覧下さい)。
シェルがリングに完全に拘束されているときの(つまり、シェルの両端が固定されている時)
低い方から6つの固有値を表1.に示しています。
一方、シェルと剛体のリングの間に摩擦が考慮された接触条件が適用されているとき、
シェルの上端部が自重によりリングから離れてしまいます。
この小さな拘束条件の変化が、固有値を大きく変えてしまいます。下の表に示されている通りです。
上の動画は、2つのケースの1番目から6番目までの周波数とモードシェイプを示しています。
2つのケースで、モードシェイプがどのように異なるかに注意してください。

図1. 両端を拘束された円筒シェル
Freq. No. |
Freq. (Hz) |
Shell constrained to rings |
Shell in contact with rings |
1 |
724.8 |
108.4 |
2 |
724.8 |
231.3 |
3 |
741.3 |
268.3 |
4 |
741.3 |
414.5 |
5 |
938.2 |
433.5 |
6 |
938.2 |
579.0 |
表1. シェルの周波数、リングとの拘束/接触
この例では、
非線形の変形形状における周波数解析、モードシェイプの解析における、ADINAの機能の有用性が
示されています。
キー
ワード :
周波数解析、接触、シェル構造、シェル要素、非線形有限要素
リファレンス
- D. Chapelle and K.J. Bathe, The
Finite Element Analysis of Shells – Fundamentals, Springer, 2003.