建設機械の安全性・信頼性評価(ADINA ヘッドガード ブーム)

建設機械の場合、低速での移動がほとんどのため、自動車などでよく行われる衝突評価よりも、転倒のような比較的ゆっくりした時間をかけて大きな変形をする現象に対する評価が重要になります。特にこれらに対する要求性能は、法規によっても定めれていることもあり、信頼性の高い評価が必要となります。

比較的ゆっくりした現象は衝突(Crash)解析と分けて圧壊(Crush)解析と呼ばれます。時間のかかる現象に対しては、陽解法よりも陰解法の方がスキームの性質上合理的です。また、非線形性が強くなると陰解法であっても誤差が生じやすくなるため、より精度よく解けるスキームを使うことが大切になります。

ニュートンワークスでは、精度の高い陰解法スキームを用いながら、圧壊解析にアプローチしています。また、圧壊解析以外にも、落下解析や耐久性に関わる振動解析などを行いながら建設機械における安全性や信頼性評価を行っています。

キャブフレーム圧壊

キャブフレームの強度解析です。油圧ショベルの転倒時における要求性能を満たせるかどうかを評価します。
キャブは治具を用いて横方向にゆっくり押し倒していきます。
この解析で対象にしているのはゆっくりした現象(Crush)なので陰解法によるアプローチがむいています。座屈・自己接触・材料非線形・大変形と多くの非線形性を含んでいるので、収束性も解析のポイントになります。

ヘッドガード落下

フォークリフトなどのヘッドガードにウエイトが落下した際の強度を評価します。落下試験では評価しきれない局所的な応力やひずみの評価も行うことができます。
落下解析の場合には作用時間により、陰解法・陽解法のアプローチを選択しますが、ADINAにおいては、精度面と計算コスト面の両方において、合理的な積分スキームも用意しています。

実働荷重による振動評価

実働荷重は実際の稼働状態における機械構造物や部材に作用する荷重です。例えば、エンジン振動、走行中の振動、気象事象などです。これらの荷重は周期的な荷重ではなく非常に長い荷重のため、時刻歴応答での評価は現実的ではありません。FFTによる周波数分析と平均化などを行い、パワースペクトル密度(PSD)を測定します。このPSDを利用して、ランダム応答解析を行います。
ランダム応答解析の結果は疲労評価につながります。

BoltApp

螺旋状のボルトのねじ山メッシュを簡単に作成するツール。
作成されたメッシュを使って、締付けによる軸力評価、回転ゆるみなど、詳細なボルト挙動の解析を行うことができます。