自動車の操安性シミュレーション(SimulationX CarSim & Suspension)

自動車の操縦安定性は、車両性能を評価する上で非常に重要なファクタです。操縦に関わるシステムとして、ステアリング・ブレーキ・サスペンションなどがあります。これらのシステムは、部品メーカから自動車メーカに提供されますが、車両に組み込んだ際に、操縦安定性にどのような効果・影響が出るかが事前に予測できません。システムの性能を評価するためには、システム単体だけでなく車両に搭載した際にどのような影響が出るかをシミュレーションにて確認する必要があります。

ここでは、車両運動シミュレーションに広く使用されているCarSimとSimulationXとの連携事例を通じて、SimulationXで油圧・メカを使って作成したショックアブソーバが、CarSimのシミュレーション結果(車両挙動)にどのような影響が出るかの評価事例を紹介します。

SimulationXショックアブソーバ作成事例

油圧シリンダを使用した1/4車両モデルです。周波数:2Hz , 振幅40mmのSine波での台上加振を想定しいます。

本シミュレーションによってショックアブソーバの特性(ピストン反力とピストン速度)を評価することが可能で、リンク機構を含めたショックアブソーバのシステムの検証を行うことができます。

SimulationXとCarSimの連携

連携計算方法は、2つのソフトを起動しデータをやり取りするCo-Simulationモードを使用しています。

CarSimのダブルレーンチェンジのモデルを使い、減衰を発生させるショックアブソーバの絞りを変更することで車両挙動の安定性を確認することができます。SimulationX及びCarSimともに計算結果をアニメーション表示することが可能です。

上段はダンパー効果がなく操縦安定性が悪いモデル、下段はダンパー効果がある操縦安定性が良いモデルです。

CarSimの計算結果
SimulationXの計算結果
各輪のショックストローク
CarSimの計算結果
SimulationXの計算結果
各輪のショックストローク

※CarSimは 米国 Mechanical Simulation 社 及び 株式会社バーチャルメカニクス社 の登録商標です。