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◆Remarks on the Use of Incompatible Modes
非適合モードを使うときの注意点

ソリッドの解析では、4節点平面応力/平面ひずみ 要素、あるいは軸対称要素、8節点六面体要素が、非適合モードとともによく使われます。これは、純変位ベース要素の曲げの挙動をよくするためです。

非適合モードの要素は、低次の強力化したひずみ要 素として考えられ、またそのように定式化されます。ここでのひずみ(非適合の変位に相当する)は適合モードの変位から計算される通常のひずみに加算されま す。要素はもちろんパッチテストをパスするように定式化されています。Ref.[1]をご覧ください。

非適合モードの要素は、歪みのない、たとえば長方 形の2D解析において、もっとも強力な要素として知られています。

しかし、強力化したひずみ要素を使用すると、大ひ ずみ(ほぼ非圧縮)の解析では難しくなることもまた知られています。Ref[2]をご覧ください。また、これは非適合モードに基づく要素でも同様です。こ のよ うな解析では、ADINAで使える混合法(あるいはu/p)要素がより信頼性が高く、有効です。

下の例で示しているように、非適合モードに基づく 要素は、線形解析において、予測もしなかった挙動と考えられる結果を示すこともあることは、それほど知られていないように思います。




解析モデル; 単純支持された条件 ;線形解析



典型的な有限要素メッシュ
; 4節点の非適合モードの要素
; 厚み方向に一要素で、Nは長さ方向の要素数
; 解析では9節点の要素が使われ、それぞれの4節点要素は
9節点要素に置き換えられています。




単純支持された 軸対称のプレートが、圧力荷重を受 けています。モデルの概要は上にあるとおりです。離散化した有限要素も示しています。

変位ベースの9 節点長方形要素と9/3要素は、要 素が増加するにつれ、同じ結果に収束します。下のグラフをご覧ください。要素数が非常に大きくなった時、つまり、要素が極端に細くなったときでも、結果は 変わりません。

一方、非適合 モードの場合は要素が細すぎない限 り、それなりの結果を出すことができます。実際に、N=100までの解析では解は収束しています。確かにそれ以上の要素が実際に使われることはないでしょ う。

収束のみの研究 として、要素数をさらに増やすと、 プレート中央の変位が大きくなるのが見られます。要素間の非適合により、支持材近くの要素がこの変位量を(物理的な意味も無く)増加 させています。もちろん、要素 がごく細い時にのみ増加が起こり、そのときの増加もまた小さいです。この現象は広く知られています。



単純支持条件の結果 ;線形解析




完全ビルトイン 支持条件で解析を繰り返すと下のグ ラフのような結果が得られます。非適合モードを使ったときには、発散する挙動は見られません。


ビルトイン支持条件での典型的な有限要素メッシュ




完全ビルトイン支持条件での結果 ;線形解析



単純支持のケー スで見たように、点荷重の条件では 一般的に、メッシュを細かくするなどの特別なモデル化が必要です。(ref. [1]の1章をご覧ください)しかし、この研究では、非適合モードの要素よりも、変位ベースとu/p要素が(計算コストがよりかかってしまいますが)この 解析には適していることがわかります。


References

  1. K. J. Bathe, Finite Element Procedures, Prentice Hall, 1996.
  2. D. Pantuso and K. J. Bathe, “On the Stability of Mixed Finite Elements in Large Strain Analysis of Incompressible Solids”, Finite Elements in Analysis and Design, 28, 83-104, 1997.


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