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Poro-elastic Finite Element Model for Prediction of Progressive Failure of Lumbar Discs
腰椎の損傷の進行を予測するための多孔質体の有限要素モデル

ADINAは、用途の広い連成解析の機能だけでなく、解析技術の信頼性や能力によって、生体医学の解析に広く使われています。

このニュースでは、繰返し荷重を受ける腰椎の有限要素モデルを説明します。この目的は、重い繰返し荷重による椎間板の損傷の進行を研究することです。このような研究結果は、繰返し荷重による背中の怪我を予防するための助けとなります。

椎間板(上のアニメーションの青色部分)は、他の多くの生体医学の材料のように、固体と液体の相からなる多孔質材料です。それだけで、生理学的に正確なモデルをつくるために、椎間板に含まれる含水率の変化を考慮する必要があります。また、荷重を受けている際の、多孔質弾性体の含水率に関連した特性の変化も考慮する必要があります。間隙圧と椎間板の固体相のカップリングを考慮するためにADINAが使われます。繰返し荷重を受ける間の椎間板の浸透率の変化を考慮するために、このモデルでは更に”ユーザー定義材料モデル”を用いてカスタマイズしています。“ユーザー定義荷重”を用いて、椎間板内の電気化学プロセスによる うねり も考慮されています。

脊椎とその周りの有限要素モデルが、図1に描かれています




図1. 脊椎とその周りの有限要素

椎間板の損傷の発生や進行を理解するためには、前述の非線形有限要素モデルに、図2で示される荷重 数サイクルを必要としました。この荷重は、人の体重と生活による影響を模擬しています。脊椎の損傷は、仮定した損傷応力を超えた領域にある積分点に対し、弾性率を小さくすることでモデル化されています。

図3では、荷重サイクルの異なる脊椎の相当応力のプロットを表示しています。




図2. 時間の関数として表された、複数の荷重コンポーネント


図3. (a)2サイクル目と(b)15サイクル目の最大荷重を負荷した時の脊椎の相当応力コンター

図4では、損傷した領域の体積割合と荷重サイクル数の関係を表しています。損傷領域に対する弾性率の減少割合を変えた複数のデータです。




図4. 損傷した領域の体積割合と荷重サイクル数の関係

生体医学の事例に加え、ADINAの多孔体についての定式化は、圧密の解析では土質の解析、オイル・ガス産業では油田の枯渇による変形や応力に使えます。


キーワード :
Poro-elastic, stress-diffusion coupling, multiphysics, cyclic load, lumbar disc, biomechanics, spine, user subroutine, soil consolidation


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