切削過程の解析

2014.01.12 Simulation of a Cutting Process

応力コンタ図
温度コンタ図

切断過程は、ほぼすべての金属製品の生産において重要な役割です。 工具形状および切削速度などの切削過程の特長は、直接、切りくず(チップ)形態と切 りくず(チップ)分割、切削力、工具摩耗に影響します。 高品質な製品を生産するために、切削パラメータは最適なレンジにする事は知られています。 しかしながら、これらのパラメータを設定することは困難で、時間と資金に相当な投資が必要です。

このショーケースにおいて、機械加工の過程(プロセス)を解析するためにADINAを使 用します。高張力鋼のブロックが工具(正の「すくい角」で)を使用して切削されます。 興味深いところは、ワークピース(製造過程にある製品)、工具と切りくず(チップ) 中の温度分布と残留応力です。

機械加工において、実際の熱は工具とワークピースの境界面における、滑り摩擦と 塑性変形により発生します。 温度は高温に到達し、機械的応答に非常に大きな影響を与えます。 ADINAの熱-構造の相互作用解析は、これらの発熱の影響を説明します。 ADINAは、接触するBody間の熱伝導を考慮でき、その熱伝達率は、時間依存または温度 依存のクリアランス機能により決まります。

切削問題の応力結果と温度結果を上図動画に示します。 この解析において剛体として、工具はモデル化されていますが、工具の実際の変形は、 表面粗さの影響と工具のガタつきを調査するため、モデル化できたかもしれません。

動画にて、セグメント化されせん断した、局部的な切りくず(チップ)が形成される様子 がわかります。 任意的な亀裂発生と伝播は、ADINAのrupture機能を使いモデル化されます。(図1参照)

図1 破断はADINAのrupture機能を使いモデル化されます。

機械加工表面の調査では、切削面は滑らかではないことがわかります。。 材料は、急速な弾性緩和に続き、工具の先端下で流れ、大きな圧縮応力を受けている事 がわかります。 この緩和は、いくつかの表面粗さを説明付けます。 表面粗さと残留応力の状態は、部品の疲労寿命に重要な影響を及ぼし、ゆえに工学的に 興味深いところです。ADINAモデルはこれらの結果を予測します。

このショーケースでは、フライス加工、穴あけ加工、旋盤加工のような機械加工の 幅広い分野に、どのようにADINAの強力な熱-構造の相互作用機能が利用できるかを紹介します。 ADINAの信頼性と実績のあるテクノロジーは、接触、大変形、材料非線形を考慮でき、 これらの解析で、物理的に現実的な結果を得ることができます。

キーワード

製造プロセス、機械加工、切削加工、熱-構造カップリング、ギャップ熱伝達率、熱生成、 ruptureでの要素消滅

ADINA9.0.2もしくはそれ以上のバージョンで、ギャップ熱伝達率が導入されます。