エアークラフト(軽航空機-LTA)のFSI(流体-構造相互作用)解析
2013.11.30 FSI Analysis of a Lighter than Air (LTA) Aircraft



エアークラフト(軽航空機-LTA"lighter-than-air aircraft")および、他の自由気球や係留気球、飛行船などの航空機は 「気体静力学」により上昇します。(すなわち、周囲に動的な空気がなくても 働く浮力です。)翼のある航空機でのような「空気力学」の上昇ではありません。 ヘリウムや水素が、船の気密性の仕切られた領域に包まれ、ガスの浮力を使い、 「気体静力学」の上昇として使われます。 エアークラフト(軽航空機-LTA)は(特に飛行船)は現在でも、100年以上人々を 引きつけてる一方で、より軽量なエアークラフトの開発は、有名なヒンデンブルク 号爆発事故により暗い陰りをみせ、放棄されてもいます。

昨今では、最先端材料(例えば、軽量気密性ファイバー、複合材料など)と最新製品と 安全技術の発展により、世界中のいくつかの会社は、輸送用、救助用、下方向範囲のレー ダー探知用、観光用、レクリエーション用、広告用など、新しいエアークラフト(軽航空機-LTA) を設計しはじめました。

より軽量なエアークラフト(軽航空機-LTA)は、剛体か、半剛体か、完全な柔軟体のいずれかで構成されます。 新しくより高度な設計開発は、古典的な知識を超えた専門知識が要求されます。 (構造力学や流体力学、工学、解析分野において。) 実際には、アダプティブメッシュ機能などを用いた、流体-構造の相互作用(FSI) 解析の技術が、これらの設計を成功させるために必要となります。 ADINAでは、構造と動的流体の間でFSI解析で損失なく、アダプティブメッシュ(SAM) 機能を利用できます。(手動もしくは自動で)これはエアークラフトのプロジェクト を速く確実に実現するために、シームレスな開発環境が提供できます。その結果として 高価な試作機を作成しテストする必要を最小限にできます。
以下の図および、上図の動画はドイツのAachenのThomas Chatzikonstantinou博士に より提供された解析結果です。オーストラリアのPerthの「SkyLifter」からのエアー クラフトの形状をADINAを使いモデリングしました。(図3参照) ガスチャンバー部の完全な柔軟体の構造部は、中型(直径25m)のエアークラフトで膜要素 を用いてモデル化されています。(直交異方性材料と接触モデル)つり下げるラインシステム はトラス要素を用いてモデル化しています。 ADINAはゴンドラ部やエンジン設置などもまた詳細にモデル化できる一方、このプロジェク トでは、観測機器はシングルマス(単一質点)としてモデル化されました。 風洞流体モデルにはアダプティブメッシュ(SAM)を使い、陰解法で完全に不安定なFSI解析に なりますので、2回の連続したFSI解析として行われました。 1回目のFSI解析は、エアークラフトを膨張させるだけの解析です。 2回目のFSI解析は、リスタート解析で、エアークラフトを係留位置から解放し、方向性を 持った推進力がエアークラフトを動かします。 陰解法の時間積分が解析に使われます。時間ステップ毎の完全な釣合い計算は、信頼できる 解析として確立されています。 ADINAはもちろんエアークラフトのどんな飛行もシミュレートするだけでなく、記録し、 そして、ひずみ、応力、速度、加速度、圧力など出力します。(エアークラフトすべての各 ポイントや時間において)




このFSI解析は、「SkyLifter」のエアークラフトの配置がその設計目標に達成したこ とを示します。解析はさらに工学と科学の複雑な問題を検討するため、ADINA-FSIを含む高度な解析をどのように、うまく利用できるかを示しています。
ADINA-FSIの機能についてのさらなる情報は、「流体-構造連成(FSI)機能」のページを参照下さい。
キーワード
Lighter than Air,LTA,軽航空機,飛行船,気球,浮力,FSI,流体-構造-相互作用,アダプティブメッシュ
* This image comes from the Brockhaus and Efron Encyclopedic Dictionary (1890-1907). The copyrights for that book have expired and this image is in the public domain. Courtesy of Dr. Thomas Chatzikonstantinou, Aachen, Germany and SkyLifter, Perth, Australia