より高速表示できる、新ADINAグラフィックエンジン

2013.10.30 New ADINA Graphics Engine for Fast Visualization

エンジンモデル(〜165万節点、134万要素)‐AB Volvo Penta 社提供

ここ数年、ADINAで解析する有限要素モデルはより大きくなってきています。 数百万の節点要素の大規模構造モデルの解析になります。 特にADINA User Interface (AUI)のグラフィックの表示速度を向上するため、ADINA9.0に OpenGL(Open Graphics Library) 3.3に最適化されたグラフィックエンジンを搭載しました。 このグラフィックエンジンは大規模モデルの画像処理の時間と、機能を大きく向上します。 さらにこの新しい「fast graphics mode」では大規模構造のモデリングを容易にする特徴 を搭載しています。 この「fast graphics mode」は標準的なグラフィックモードに代わるモードとして、 アイコンのクリックで簡単にモード切り替えができます。

進化したモデル断面表示

「fast graphics mode」では巨大なモデルの動的な回転表示が以前の標準的な グラフィックモードに比べ、より早く行えます。 また、モデルは上記動画の様に、より見やすくするため簡単に断面表示することができます。

部分選択の容易化

部分選択の実行時、全体の視点から隠れている部分を取り出すため、対象となる部分を動的に 抽出し、拡大、回転することが可能です。 また、円形選択領域、自由選択領域ツールが、標準的な矩形選択領域ツールに加えて実装されます。 新しいこれらのツールにより、簡単にクリック&ドラッグ操作で、あらゆる不規則な形の範囲 を選択することが可能になりました。さらに選択速度も改善されました。

ラベル表示とハイライトの改善

「fast graphics mode」では、大規模モデルで要素節点が適切な視覚化するため、非常に多くの表示 をすることを回避できます。 代わりにモデルが拡大縮小され、ラベル番号が見やすくなるように、ラベルの大きさが自動調節さ れます。 また素早くラベルを表示、非表示にするスイッチも搭載されました。 ハイライト時、隠れた部品が見えるように改善し、またハイライトされたラベルは強調されます。 これらによって、ユーザーが視覚的に目的の部品の位置を簡単に見つけることができます。

その他の「fast graphics mode」における改善点:

  • 単色またはグラデーションカラー、または画像の背景使用。
  • 正射影または透視投影の表示。
  • 表面の透明度調整。
  • 様々な照明と陰影オプション。
  • 変形前と変形後のモデル視覚化の改善。(下記の動画を参照)
ゴムブーツの変形

「fast graphics mode」が、現在すべてのAUIの表示特性をサポートとするというわけではありません。 そのため、今後その適用をより多くをAUIに機能拡張していきます。 大規模モデルで相互関係を強化する新機能を搭載するため、そしてさらに能力強化するために、性能 向上していく予定です。 ADINA社の目標は、AUIをユーザーがADINAシステムを使い、構造、流体、伝熱と電磁場の相互作用を含む より複雑なマルチフィジックスを解決し、一般的になりつつある大規模モデル解析のための強力なツール とすることです。

キーワード

グラフィックエンジン、視覚化、OpenGL、大規模モデル、リアルタイムグラフィックエンジン、自由選択領域