不均質岩における岩石穿孔縦坑の軸受け剛性の検証

2013.1.30 Study of Bearing Stiffness of Drilled Shafts Socketed in Heterogeneous Rock

岩石穿孔縦坑の構造は、高層ビルと橋のような重構造物を支えるために広く使われています。 地下の岩盤状況の自然な上均質を考慮してより厳しい 設計基準を必要とする荷重抵抗係数設計法(LRFD)など新しい建築設計を 実践します。下にある文献では、ADINAを用いて有限要素解析を精度よく実施 することでそのような基準の開発を議論しています。

岩岩石穿孔縦坑の構造は、ボーリングした穴に補強の鉄筋とコンクリートを 流し込んで作られる軸構造になります。縦坑に軸荷重がかかると縦坑は、 岩盤に垂直応力とせん断応力を伝えます。垂直応力は、縦坑の先端で受け、 せん断応力は縦坑と岩盤の間の円筒表面に発生します。 直感的なモデリングのアプローチ法は、接触を使ったシャフトと岩の相互作用をモデル化することです。 しかし、文献によると、縦坑と岩盤間は接着面とするのが良いことになっています。 このアプローチにより、計算的により効率的で、縦坑の先端の圧力と岩盤間のせん断限界を正確に予測 できます。 図1は有限要素モデルを、図2は実験装置を示します。

図1 有限要素モデル
図2 実験装置:(a)フロリダ大学での12.5ギガトンの遠心分離機、
(b)ドリルシャフトケーシングのスケールモデル(ひずみゲージと一緒に)、
(c)遠心分離機の荷重フレーム

有限要素解析の結果は図3で実験結果と比較しています。 有限要素の結果は実験データと非常によく一致しています。

図3 有限要素解析の結果と実験データとの比較:(a)合成岩石の軸受け応答と(b)側面抵抗の増大

この均質モデルは地下の上均質岩の条件を検証するためのベンチマーク モデルになります。上均質岩の条件を模擬するには、弾性率を単位厚みの 層ごとにランダムに変化させます。(たとえば、1フィートごと) 北フロリダ にある二つの橋脚に見られる上均質な岩を統計的に検証するには18,000ケース ものシュミレーションが必要になります。図4に材質を仮定して計算した二つの 代表的なケースを示します。上の動画は荷重の伝達を図示しています。

実行されたシミュレーションの数(18000)は、非常に大きいことに注意するはずです。 しかし、無作為抽出法に基づいた方法において少数のサンプルを使うことは、 これから使われる重要な仮定のため、この研究には適さないかもしれません。 採用したモデリング方法とADINAの効率的で堅牢な有限要素処理は、高精度で、信頼性がありつつも 実践的に地球統計学解析を行うことができます。

図4 仮定した材質で計算される二つの代表的なケース

図5では、均質な岩の状態と異質岩の状態における軸受剛性を比較しています。 明らかに、上均質な岩盤条件が先端の抵抗に大きな影響を与えています。

図5 均質、上均質条件の比較

上のシュミレーションによって、橋の設計における上均質な岩盤層の 深さをを考慮した影響係数による簡易な計算式を求めました。

この例はADINAの強力なモデリングの機能が工学設計の実践の発達にどのように使えるかを説明しています。

参照

  1. J.H. Chung, J. Ko, H. Klammler, M.C. McVay, P. Lai, "A Numerical and Experimental Study of Bearing Stiffness of Drilled Shafts Socketed in Heterogeneous Rock," Computers and Structures, Vol. 90-91, pp. 145-192, 2012.

キーワード

ドリルシャフト、シャフトと岩の相互作用、異質岩の状態、界面付着、統計的分析、橋の設計、荷重抵抗係数設計法(Load and Resistance Factor Design)、LRFD

協賛

J.H. Chung, J. Ko, and M.C. McVay (University of Florida), H. Klammler (Federal University of Bahia, Brazil) and P. Lai (Florida Department of Transportation)