電熱材料のための連続的マイクロ波加工
2012.6.30 Continuous Microwave Processing for Heating Materials
電熱材料のための連続的マイクロ波加工
マイクロ波加熱は材料加工では、調理、解凍、食品業界における殺菌など、製造では焼き戻し、セラミック熱、化学反応制御、高分子合成、ガラス充填材、選鉱など、そしてマイクロ波ジアテルミーもしくは医学における人体の外科切除で広範囲にわたって使われています。
例については下記の参考文献をご参照ください。従来の加熱方法とは対照的に、マイクロ波は容積に応じて材料のサンプルを加熱することで、熱伝達がより速くなり、加工時間は短くなります。家庭や産業での熱のアプリケーションで最も一般的に使われるマイクロ波の周波数は900MHzから3GHzです。以前のニュースprevious
Briefで私たちは空洞内の固体の材料のサンプルの2.45GHzのマイクロ波加熱に着目しました。
今回のショーケースでは、マイクロ波の周波数を915MHzにすることによって加熱された連続的な材料の流れにおけるADINAのマルチフィジックスソリューションに着目します。
図1 連続的なマイクロ波熱加工の図
図1で表わされる問題では、PTFE管内の乳製品の連続的な流れは、空洞内の電磁波の周波数を高くすることによって激しくなります。マイクロ波加熱は、電場の高い周波数の存在の中で再調整されるミルク分子の分極によります。マイクロ波は主に、TE10波を支配している周波数915MHzで機能を果たし、力の入力によって励起ポートで励起されています。マイクロ波の電磁場は、E-H法を使っている調和領域で解かれており、ミルクはべき乗則流体としてモデル化されています。
図2 915MHz(左)と1372MHz(右)におけるSection A(図3をご参照ください)での電磁場の大きさ;流入速度は0.015m/s
上の動画は空洞の中へ導波管に沿って異なる励起が使われているときの電磁波伝達の周波数掃引を示しています。TE10波を支配しているため、周波数を604MHzで切断します。動画をご覧の通り、励起振動数がこのカットオフ値より小さい時、波と力は空洞の中へ伝わりませんが、一方で高い周波数を持った電磁励起は導波管と空洞の中で場の変化を示しています。図2では、私たちは2つの異なる周波数で電場の実部の大きさを与えています。
図3は2つの周波数と一定の流入速度0.015m/sの時の空洞内の管のXY面に沿った温度分布を与えています。温度分布は電磁力の密度の入力と管内の乳製品の速度とつながった影響を示しています。
図3 (a)915MHzと(b)1372MHzの時の乳製品内の温度分布
図4 乳製品内の平均温度、v=流入速度;励起振動数は915MHz
管に沿った流体内の平均温度の部分上昇は流入速度に対して図4の中で見られます。管に沿った線形の温度のプロファイルは、流体への異なる電磁力の密度の入力と空洞内の液量の滞留時間の直接的な結果です。
図5と図6は異なる流入速度に対して励起振動数915MHzに対応した温度分布を表しています。一様でない温度分布は流体を加熱した時の電磁力の空間変動と密接な関係があります。
図5 異なる流入速度に対する流れの方向に沿ったY-Z中央平面における温度分布:(a)0.015m/s、(b)0.030m/s、(c)0.045m/s、(d)0.060m/s
図6 異なる流入速度に対するsection Aでの温度分布:(a)0.015m/s、(b)0.030m/s、(c)0.045m/s、(d)0.060m/s
マイクロ波加熱問題の数値解は、流体の流れに関係する現象の連成解析、熱伝達や高い周波数を持つ電磁気系、工業の熱加工に共通するものに関するADINAのいくつかの特徴を示しています。ADINAの強力なマルチフィジックス機能のさらなる例に関しては、ADINA Multiphysicsをご参照ください。
Reference
l
Chandrasekaran, S., Ramanathan, S. and Basak, T.
"Microwave Material Processing — A Review", AIChE
Journal, 58(2):330-363, 2012
Keywords:
マイクロ波加熱、連続的熱加工、マルチフィジックスの連結、出力密度、電磁気学、流動、CFD、熱伝達