原子炉の鋼鉄製容器の動的なふるまい

2012.1.30 Dynamic Behavior of a Nuclear Reactor Steel Containment



原子炉の鋼鉄製容器の動的なふるまい


多くの構造物では、部品を保持するためにボルトが使用されおり、 多くのボルトがある場合もあります。 ボルトと部品の相互影響原子力産業やその他の産業における信頼性のある格納容器の設計は最も重要です。 そのような設計には、容器に対して信頼性のある有限要素解析が事故状態における 負荷耐久力を評価するために必要になります。そのための有限要素シュミレーション は、容器が受ける極限の負荷を予測するために非線形の正確なふるまいの応答を 再現していかなければなりません。を有効にモデル化できることが重要です。

ここでは、ドイツのケルンにある施設・原子炉安全協会 (Gesellschaft fu"r Anlagen- und Reaktorsicherheit (GRS) mbH)で実施した 幾つかの作業を特集します。検証は典型的なドイツの軽水炉型原子炉の格納容器 について実施しました。

軽水炉型原子炉の格納容器は球殻の形をしており、核分裂による生成物質 を環境に放出させない強固な遮蔽を実現するために鋼鉄で作られています。 図1は内部施設と格納容器の原子炉建て屋です。

図1 内部施設と格納容器のドイツの原子炉建て屋


水素爆発を前提とする厳しい事故負荷の場合の損傷に対する安全の担保を算出するために GRSは、構造の弾塑性動解析にADINAを用いました。出入り口の扉、入り組んだ配管や 異なるは壁の厚みなど複雑な有限要素モデルを作成するのにADINA-Mを使いました。 図2は6つの要素グループを含む178698節点/388479テトラ要素のメッシュモデルです。

0.00005s(0.05ms)の時間ステップサイズで陰的時間積分を用いておおよそ3000ステップ の計算を行いました。


図2 有限要素計算のための細部も含む四面体要素メッシュ


精査に基づいた応力とひずみを考慮しながら構造の感度を調査するためにパラメトリック に検証しました。様々な負荷の仮定と最大値を水素爆発の事故を適切な前提にして用いました。

図3は容器の円形部分の内面に与える代表的な圧力負荷条件です。図4は鋼鉄格納 容器の球殻部の内面(図2の赤い部分)に動的な圧力荷重が負荷された場合の24msにおける 相当応力分布を表しています。

上の動画は、時刻に沿った応力分布の変化を示しています。期待されたとおり、 最大変形は、圧力が作用しているところでおき、最大応力も塑性ひずみも同様になっています。 変形は球殻の動解析で観測されたように、局所的に振動する変位に対応しています。


図3.事故条件を前提にして単純化した圧力分布の特性



図4.時刻24msにおける相当応力分布(外側から見たところ)



水素爆発による鋼構造負荷の安全性評価にここで用いられたADINAによる解析方法が適切 であることを計算が示しています。作業は、ドイツ連邦経済・技術省の原子炉安全調査プログラムの枠組みに沿って実施されています。

これは、非線形動解析におけるプログラムの有効性と信頼性のためにもっとも便利なツールの 一つであるADINAの重要な領域です。

Keywords:
格納容器、原子炉、有限要素、極限負荷、事故条件、弾塑性、陰的動計算

協賛:ドイツ-ケルンの施設・原子炉安全協会